本コラムは「快眠セラピスト・睡眠環境プランナー 三橋美穂の睡眠情報サイト
「睡眠Q&A子どもの眠り」
睡眠Q&Aに
掲載された睡眠Q&Aを当サイト掲載にあたり加筆修正いただいた内容です。
目次
Q.子どもにとって眠りの大切さとは?
A.子どもの睡眠の特徴は、大人と比べて「レム睡眠」と「深いノンレム睡眠(深睡眠)」の時間が長いこと。レム睡眠によって神経ネットワークが構築され、脳は発達していきます。そして深いノンレムレム睡眠時に分泌される成長ホルモンによって、体が発達します。「寝る子は育つ」は本当です。
頭で覚えた記憶も、体で覚えた記憶(スポーツ、楽器の演奏、書道など)も睡眠中に定着するので、学習能力や運動能力が向上します。しっかり眠ると気持ちに余裕が生まれるので、思いやりのある行動がとれ、人にやさしくなります。意欲や創造力、判断力も向上し、瞳の輝きや美肌にもつながり、魅力的になります。
夢を叶えるための能力は、睡眠によって育まれるといっても過言ではありません。
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Q.子どもに必要な睡眠時間はどれくらい?
A.個人差はありますが、小学校に上がるまでは、夜間にまとめて10時間以上寝て、朝7時までに起こすのが基本です。
米国睡眠医学会(American Academy of Sleep Medicine)が推奨しているのは、1〜2歳児は11〜14時間、3〜5歳児は10〜13時間、小学生は9〜12時間、中学・高校生は8〜10時間。
親の睡眠が短いと、子どもも短くなりがちで、日本人は総じて睡眠負債をためています。子どもの睡眠は発達にかかわるので、睡眠不足にならないよう気を配ってあげてください。
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Q.「睡眠不足」が子どもに与える影響は?
A.朝起きられない、朝食欲がない、園や学校への行き渋り、落ち着きがない、低体温、アレルギー、キレやすい、授業に集中できない、学力低下、疲労感、不登校、やる気がでない、興味が持てないなど、影響は多岐にわたります。
勉強や習い事も大切ですが、睡眠とのバランスをとりましょう。

Q.子どもが深夜によく目覚める場合、熟睡するための対策は?
A.体内時計が乱れると、時差ボケのような症状があらわれて、夜の睡眠が浅くなります。規則正しい生活を心掛け、休日も朝寝坊せず平日と同じ時刻に起きましょう。
また、日の光を浴びないと、夜の睡眠ホルモン(メラトニン)の生成が減ってしまいます。日中に太陽光を浴びながら、しっかり外遊びをしましょう。「毎日60分以上」を心掛けてください。
寝る前のスマホもブルーライトの刺激で眠りが浅くなるので、寝床にスマホを持ち込まないようにしましょう。
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Q.元気な寝相の子は、熟睡できているの?
A.日中、機嫌よく元気に過ごせているなら、心配ありません。子どもは脳が未成熟なので、体の姿勢をコントロールすることが難しく、姿勢が大きく変わります。小学校高学年くらいから落ち着いてきます。
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Q.子どもがぐっすり眠るための、パジャマや寝具の選び方は?
A.子どもは体温が高いので、汗をしっかり吸収する天然素材のパジャマがおすすめです。体動も激しいので、伸縮性のある生地、もしくは少しゆったりしたサイズを選びましょう。掛布団が外れても寝冷えしないように、腹巻つきのパジャマもいいですね。
マットレスは寝返りのしやすさや、蒸れにくさをポイントに選ぶとよいでしょう。高すぎる枕は猫背を助長するので避けましょう。小学校に上がるまでは、バスタオルを4つ折りにした程度で十分です。
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三橋美穂(快眠セラピスト・睡眠環境プランナー)
寝具メーカーの研究開発部長を経て独立。これまでに1万人以上の眠りの悩みを解決してきており、とくに枕は頭を触っただけで、どんな枕が合うかわかるほど精通。全国での講演や執筆活動のほか、寝具や快眠グッズのプロデュース、ホテルの客室コーディネートなども手がける。
著書に『『オトナ女子の不調と疲れに効く 眠りにいいこと100』(かんき出版)ほか多数。
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