本コラムは「快眠セラピスト・睡眠環境プランナー 三橋美穂の睡眠情報サイト新しい時代の新しい眠り(コラム) 195. 花粉症に効く?!整腸と日光浴に掲載されたコラムを転載した内容です。
基本の花粉症対策
2人に一人が花粉症といわれる今、目鼻の痒みやクシャミなどで睡眠が阻害される人が増えています。花粉症対策としては、まず花粉を回避すること。
・外出時にマスクをして花粉を体内に入れない
・帰宅時には玄関の外で衣類の花粉を払う
・衣類や寝具を外に干さない
・うがいをしたり、目鼻を洗う
・空気清浄機を使う
・部屋の湿度50~60%を保ち、花粉が舞わないようにする
これらは基本なので、実践している人も多いと思います。
腸内環境の悪化が、アレルギー症状を引き起こすことも!
最近では、腸内環境の悪化がアレルギー症状を引き起こすことも、知られるようになってきました。免疫細胞の半分以上が、腸に集まっているからです。
試したいのは、グルテンフリーとオリゴ糖。アレルギー体質の人は、小麦に含まれるたんぱく質のグルテンに免疫システムが反応しやすいので、小麦を控えると症状が軽くなるケースがあります。
オリゴ糖は善玉菌を増やして腸内環境を整えます。中でもフラクトオリゴ糖は、善玉菌のひとつである酪酸菌を増やすので、アレルギー症状緩和に役立ちます。液体タイプと粉末タイプがありますが、 おすすめは粉末タイプ。フラクトオリゴ糖の含有量が高いので、より効果が期待できます。
意外と知られていないのが、日光浴の重要性。紫外線B波が皮膚に当たることで合成されるビタミンDがホルモンのような働きをして、免疫の正常化に不可欠であることがわかってきました。
おすすめは日光浴
日本人の98%はビタミンDが不足していることが、東京慈恵会医科大学の大規模調査で明らかになっています。現代は屋外での活動量が減り、室内で過ごす時間が増えたことが、花粉症患者の増加に関与している可能性があるのです。実際にサーファーには花粉症が少ないそうで、花粉症を改善するには、適度な日光浴が必要です。
では、どれくらい浴びればいいのでしょうか?
紫外線が強い3~10月は、正午前後(11~13時頃)に半袖半ズボンで15~20分の日光浴を、週に2~3回行うことが推奨されています。日焼け止めを塗ったり、ガラス越しでは紫外線が不十分なので、屋外で直射日光に当たるようにしましょう。
紫外線が弱く、肌の露出が少ない冬場は、もっと長い時間浴びる必要があります。難しい場合は、サプリメントで補うことも検討してみてください。食事から摂取できるビタミンDは微々たるものだからです。
日光浴をすると、夜間に眠気を誘うホルモンのメラトニン分泌量が増えるので、睡眠の質も上がります。以前、公園の芝生の上で、友人たちとおしゃべりしながら3時間過ごした日に、夜10時ごろに強烈な眠気に襲われ、熟睡できた体験があります。花粉症のためにも、睡眠のためにも、適度な日光浴を取り入れて行きましょう。
最後に、睡眠不足になると免疫機能が低下してアレルギー症状が悪化します。必要な睡眠時間を確保するよう、心がけてください。

三橋美穂(快眠セラピスト・睡眠環境プランナー)
寝具メーカーの研究開発部長を経て独立。これまでに1万人以上の眠りの悩みを解決してきており、とくに枕は頭を触っただけで、どんな枕が合うかわかるほど精通。全国での講演や執筆活動のほか、寝具や快眠グッズのプロデュース、ホテルの客室コーディネートなども手がける。
著書に『『オトナ女子の不調と疲れに効く 眠りにいいこと100』(かんき出版)ほか多数。
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