まくらの清潔を保ったり、デザイン性を向上したり、髪の毛や肌にやさしく使用することで得られるメリットが多いまくらカバー。
ですがいざ購入するとなると、種類の豊富さにどう選べば良いかわからなくなってしまうという方も多いのでは?
そこで今回は、まくらカバーに詳しい昭和西川の商品担当・亀田さんにまくらカバーの選び方について解説していただきました!
おすすめの素材やまくらカバーの形状、サイズに関する知識を、たっぷり教えてくださいました。ぜひカバー選びの参考にしてみてくださいね。
目次
(専門的なお話まで深く語ってくださった亀田さん)
【まくらカバーのおすすめ素材は「天然繊維」】
■では、さっそくまくらカバーの選び方について伺っていきたいと思います。まくらカバーにはさまざまな素材でできた製品がありますが、亀田さん的おすすめ素材はありますか?
亀田さん(以下:亀田) はい。一番のおすすめは天然繊維を使用したまくらカバーです。
天然繊維といえば、綿100%のものがスタンダードですよね。綿100%のまくらカバーは汗などの水分を吸ってくれますし、肌触りも心地良いですよ。
また、生地の肌触りは素材だけでなく打ち込み(※)の強さによっても変化しますが、触り心地の観点でいえばシルクのまくらカバー(ピロケース)を特におすすめしたいです。
(※打ち込み:1インチ(2.54cm)四方の生地に織り込まれた糸の合計本数のこと。数値が高いほど繊維の密度が高まり丈夫で肌触りが滑らかに感じやすくなると言われます)
シルクは人の肌の水分量に近い生地ですので、髪の毛がまとまりやすいとも言われています。お客様ご自身の体験によるものではありますが実際に使用されたお客様から「朝起きたときに髪の毛の調子がいい」という声も一部の方よりいただいています。
吸水性や肌触り、髪への影響といったメリットの大きさを考えると、やはりまくらカバーは天然繊維のものを選んでいただきたいですね。
■天然繊維のまくらカバーはいいことずくめなんですね。ポリエステルなど、化学繊維を使用したカバーはどうでしょうか?
亀田 ポリエステルには、ポリエステル100%のもの、ポリエステル65%と綿35%の綿ポリエステル(TC)と種類があるんですよ。
ポリエステル素材のまくらカバーは昭和西川でも販売していますが、ポリエステルを使用したまくらカバーは、100%天然繊維のものより価格が安い点や、乾くのが早い点がメリットと言えますね。
でも、天然繊維のものと比較すると吸水性がイマイチだったり、手触りの滑らかさに欠けてしまうので、個人的にはあまり肌に触れる素材としてはおすすめと言えないんですけれど……。
とはいえ最近はポリエステルの紡績(※)技術も向上しているので、昔にくらべるとそこまで悪いものというわけでもないですよ。特に、打ち込み強いものは長持ちします。
(※紡績:繊維を加工して糸にすること)
■なるほど。重視するポイントによっては、ポリエステル素材を選ぶのもアリかもしれませんね。
亀田 そうですね。
安価で乾きやすいというのも強みではありますが、まくらカバーは毎日使うもの。なのでやはり昭和西川としては、睡眠中に使用するうえでのメリットが多い天然繊維のまくらカバーをおすすめさせていただきたいところです。
■では、天然繊維の中でおすすめ順位をつけるとしたらどうでしょう?
亀田 それに関しては、お客様の好き好きになってくるかなとは思います。
まくらカバーって、ふとんカバーと同じ素材を使ってセットでつくられることが多いんですよ。ふとんカバーは綿100%のものが多いので、世の中の主流でいえば綿100%のまくらカバーかもしれないですね。
ご予算に余裕があれば、ぜひシルクや麻などのカバーをお試しいただきたいと思います。
【意外と知らないまくらカバーの形状(縫製)。ポピュラーなのは「合わせ式」「封筒式」】
続いて、まくらカバーの形状(縫製)について、どんな種類があるのか教えてください。
亀田 一般的に多いのは「合わせ式」のまくらカバーだと思います。袋のような形状になっていて、まくらを入れたら、入れ口の生地が合わさった部分(重なり部分)をかぶせるようにして使用します。「合わせ式」は生地用尺(※)がかからず安く仕上げられるので、広く流通しているんですよ。
(※生地用尺:製品をつくるのに必要な材料の量)
次に多いのが「封筒式」でしょうか。まくらを入れたら、余った布を封筒のようにまくらの下や内側に折り込んで使用します。少しお高めのまくらカバーに多いですね。「合わせ式」より生地用尺はかかりますが、縫製は楽なんです。
それから、まくらを入れたらファスナーやボタンでカバーを閉じる「ファスナー式」や「ボタン式」もあります。最近は、ストレッチが効いてまくらにフィットするタオル地やニット素材の「腹巻式」と呼ばれるカバーもありますね。
昭和西川でも、「合わせ式」と「封筒式」のまくらカバーのラインナップが多いです。「ファスナー式」の販売はしていませんが、「ボタン式」や「腹巻式」のカバーも取り扱っています。
■まくらカバーの形状(縫製)にこんなに種類があるとは知りませんでした。どれを選ぶのが良いでしょうか?
亀田 まくらの入れやすさで選ぶのは一つのポイントになるのではないでしょうか。
やはり「合わせ式」「封筒式」はまくらを入れてセットするのが簡単ですし、金具などがないので肌や髪に引っ掛かる心配もありません。
余談ですが、昔はまくらカバーの縫製まで気にされて購入されるお客様は少なかったんですよ。購入されてから、「こんな縫製だったのね」となることが多かったんです。情報社会になってきたからか、最近は「縫製の仕方はどうなっているのか」と尋ねられることも増えてきました。
ですので、現在はきちんと「合わせ式」「封筒式」など商品に形状(縫製)を記載して販売しています。
西川ストア公式本店の商品ページにもしっかり記載がありますので、安心してお買い物なさってくださいね。
■なるほど。形状(縫製)まで記載されているとはお買い物しやすくて嬉しいですね。
【ホテルライクな寝室を演出できる!こんな選び方も】
亀田 あとは、まくらカバーはビジュアル重視で選ぶのも楽しいですよ。
たとえば、昭和西川に継承されているかっこいいベッドメイキングの方法の一つとして、「封筒式」のまくらカバーの余り布を折り込まずにだらんと流して、たっぷり使うというやり方があります。
また、まくら部分のまわりを縁取った「額縫製」がされている「合わせ式」カバーを使うと、高級感あるホテルライクな印象を演出できたりします。
ベッドメイキングをした時にお客様ご自身の気分の上がるまくらカバーを選んでいただけるのが一番です。
【ぴったりか大きめ、それぞれにメリットが。まくらカバーのサイズ選び】
■まくらカバーは複数のサイズが展開されていることもありますよね。カバーのサイズはどのように選ぶのが良いでしょうか?
亀田 現在の市場では、Mサイズ(46×63cm)とLサイズ(50×70cm)のまくらカバーが主流になっていますので、基本的にまくらのサイズに対応するほうを選んでいただくのが良いでしょう。ベッドメイキングも綺麗にできます。
サイズ選びの観点で言えば、先ほどお話したストレッチ性のあるカバーはさまざまなサイズ、形のまくらに対応しやすいです。
■まくらのサイズに合わせて選べば間違いないですね。
亀田 そうですね。
ただ、例えばMサイズのカバーにMサイズのまくらを入れると、けっこうパンパンなんですよ。ぴったりサイズだとまくらの出し入れにちょっと苦戦することもあります。
なので、個人的には大きいサイズのカバーを使うのも出し入れが楽でおすすめです。まくらのズレも意外と気になりません。主婦・主夫の方や日々お忙しい方は、サッと出し入れできる大きめサイズを選んでいただくのも良いかもしれないですね。
【迷ったらこれ!まくらカバーのプロも推す昭和西川の「シルクピロケース」】
■最後に、まくらカバー亀田さん的イチオシのまくらカバーをプレゼンしてください!
亀田 イチオシは、シルク100%でつくられた【シルクピロケース】です。
■やはり。インタビュー冒頭でもシルク素材推しでしたね。
亀田 実際にお客様からも「朝起きて髪の指通りが良い」「髪のボリュームが増えた気がする」など、嬉しいお声をいただいているので、迷ったら「シルクピロケース」を試していただきたいなと思います。
■「シルクピロケース」は私も普段から使っていますが、本当に髪に優しいのを実感しています。本日は詳しいお話をありがとうございました!