毎日使うまくら、正しいお手入れで清潔に保てていますか?
まくらって「どのタイミングで洗うべき?」「洗濯機で洗っていいの?」「型崩れが不安…」「もう中まで乾いたかな?」など、意外とお手入れ方法に迷うアイテム。
そこで今回は、まくらのお手入れについて、まくらに詳しい昭和西川の商品担当・木内さんにじっくりお話を伺いました。
まくらのお手入れ手順から、まくらをより綺麗に保ち気持ちよく使い続けるためのアドバイスまで、すぐにでも試したくなる有益情報が満載です!
目次
(小さな疑問まで丁寧に解説してくださった木内さん)
【まくらには見えない汚れがいっぱい!】
■さっそくですが、まずはまくらを洗ったほうがいい理由を教えてください。
木内さん(以下:木内) そもそも、人間は一晩でだいたい300ccから400ccほど汗をかくと言われています。
まくらにはその汗が染み込んでいくので、みなさんが毎日使っている寝具って、思いのほか汚れているんですよ。
また、まくらには汗のほかにも、皮脂やタンパク質汚れが付きます。そういった汚れに菌が混ざり合うことで菌が増殖していき、まくらから嫌な臭いが発生するという仕組みになっているんです。
さらに、まくらの汚れにはダニの死骸や糞、花粉、ハウスダストなども含まれています。それがアレルギーの原因につながることもあるので、清潔さを保つためはもちろん、健康面を考えても、まくらは洗ったほうがいいんです。
■汚れの要因がたくさんあるんですね。でも、皮脂やダニの死骸、ハウスダストなどは実際に確認するのが難しいですよね。まくらの汚れは目に見えないということでしょうか?
木内 そうですね。まくらの汚れは基本的には目に見えるものではありません。なので、日々まくらを使っていても「汚れているな、洗濯しよう!」とひと目で感じられるような汚れ方をするかというと、そうでもないんですよね。
【まくらを洗う頻度はどのくらいがベスト?】
■なるほど。汚れが視認しづらいと、お手入れのタイミングに悩んでしまいそうです……。実際、まくらはどのくらいの頻度で洗うと良いのでしょうか?
木内 まくらの使用頻度や環境によって汚れ方にも個人差があるので、まくらを洗う頻度に決まりはないんです。
ただ、汚れは洗濯するまでの時間が長ければ長いほど取りにくくなります。また、先ほどもお話したように、汚れを放置することで菌が増殖し、臭いが強くなる可能性も高くなるんですよ。
なので、お客様にはいつも「まくらは定期的にお洗濯をしてください」とお伝えしています。
ちなみに、まくらの中材は結構乾きづらいので、天気のいい日に洗っていただくのがおすすめです。
■決まった頻度はないんですね。でも「定期的に」と言われると、どうしても「それってつまりどのくらい?」「目安は?」と不安になってしまうのですが……。
木内 洗濯したまくらが「ちゃんと乾く」かどうかを基準にしていただけるとよいかと思います。
例えば、夏場なら乾きやすいので週に1回洗っても問題ないでしょう。汗もかきやすい時期なので、洗えるならば洗ったほうがいいです。まくらを乾かすためには、風通しの良い場所に干すというのも大切なポイントです。
そんなふうに天気・環境と相談しながら、まくらを中までしっかり乾かせるタイミングで洗濯をするのがベストですね。
■極端に言えば、まくらがしっかり乾くのであれば毎日洗濯してもOKということでしょうか?
木内 そうですね。乾くようであれば問題ないです。
■毎日洗っても、まくらは傷みませんか?
木内 当然ですが何回も何回も洗濯を繰り返せば、だんだんと側地から傷みは出てきてしまいます。
なので傷みの観点からいえば、まくら本体を毎日洗濯するよりも、まくらにカバーを掛けて、カバーを洗うようにするのがおすすめ。洗濯にかかる手間もカバーのほうが少ないと思います。
■なるほど!まくらカバーを掛けておけばまくらのお手入れがグッと楽になりそうです。
【まくらには<洗えるまくら>と<洗えないまくら>がある】
■というかそもそも、まくらってどんなものでも洗えるんですか?
木内 実はまくらには、洗えるものと洗えないものがあります。
■洗えないものもあるんですね。洗えるまくらと洗えないまくらは、どのように見分けたら良いのでしょうか?
木内 お客様からお問い合わせがあった際にも同じように回答しているのですが、基本的に商品には品質表示がついているので、そちらをご覧いただければ判断できるようになっています。
まくらの中に入っている素材別で分けていくと、ポリエステルわたやパイプのまくらは洗うことが可能です。羽毛やウレタン素材のまくらは洗濯不可と表記してありますよ。
■品質表示を見ながら自分で確認できるのは安心ですね!表示を見て洗えるまくらだった場合、どのように洗濯を進めていけば良いのか、手順をくわしく教えていただけますか?
木内 洗えるまくらも、商品によっては手洗い表記のものがあるので、表記案内に従って手洗い・洗濯機のどちらかで洗ってください。
手洗いの場合は、優しく押し洗いをしていただくことを推奨しています。しっかりと水を張れる環境で洗ってくださいね。
注意点として、ポリエステルわたのような水をよく含む素材のまくらを手洗いしたときは手で強めに押して、しっかり脱水してください。そのほうがまくらが乾きやすくなるためです。
洗濯機を使う場合は、お使いの洗濯機の取扱説明書をご参照いただきながら洗っていただけば間違いありません。
ただ一つ気をつけてほしいのが、ファスナー付きのまくらを洗うときですね。
ファスナー付きのまくらの場合は中身がこぼれないようにしっかりとファスナーを閉め、さらに洗濯ネットに入れてから洗濯機に入れていただくと安心です。
特にパイプまくらの場合は、しっかりファスナーを閉めると同時に洗濯ネットは編み目の細かいものをご使用いただくのがおすすめですよ。
■詳しくありがとうございます。ちなみに、洗うときの水温はどのくらいが良いのでしょうか?
木内 30℃〜40℃くらいが汚れの落ちやすい温度と言われています。
■なるほど。洗濯を終えたあと、干し方にもポイントはありますか?
木内 はい。洗濯したまくらをきちんと乾かすには、風通しのよい場所で日陰干しするというのが大事なポイントです。
というのも、直接陽に当ててしまうと側地が焼けてしまうなど、まくらが傷みやすくなってしまうんですよ。雑菌・カビ繁殖防止の観点からも、ぜひしっかり風を通して乾かしていただければと思います。
また、洗濯のあと、干す前にまくらの形を整えるというのも忘れてはならない作業です。
洗濯の際に力が加わり変形した状態で干してしまうと、水分も残りやすくなりますし、その形のままになってしまうこともあるんです。なので、水分が残らないようにまくらの形を整えて、風通しのよい場所で日陰干しをしましょう。
ちなみに、中身に綿を使用しているまくらは、洗濯機でぐるぐる回転すると中身が片寄ってしまうことも。洗濯を終えてまくらの中身に片寄りを感じたら、手でほぐして形を整えてから干すようにしてくださいね。
それから、まくらは吊るしたり、掛けたりという形ではなく、平置きで干すというのも型崩れを防ぐうえで大事になってきます。
■冒頭でも、まくらを洗濯したら中までしっかり乾かすことが大事というお話がありましたよね。まくらは中身によって乾きやすさに差があるのでしょうか?
木内 そうですね。1日で乾く素材のまくらもありますが、水を含みやすいポリエステル綿が多く入ったまくらだと天気によっては2〜3日置いとかないと乾かなかったり。素材によって乾くスピードは結構違います。パイプのまくらは乾きやすく、ポリエステルわたのまくらは乾きにくいというイメージを持っていただくとわかりやすいのではないでしょうか。
先ほど洗濯頻度のお話の中で夏場は乾きやすいとお伝えしましたが、当然雨の日や冬場は乾きづらいです。なのでカラッと晴れた日を狙うなど、乾きやすいタイミングで洗濯をするというのが大前提ですよ。
■最近は花粉症や黄砂の影響や犯罪抑止などの観点から室内干しをする方も多いと思います。浴室乾燥を使用するのもOKでしょうか?
木内 浴室乾燥を使用していただいても構いません。
ただ、近年はまくらやセーターなどを干すのに便利な平干しネットも流通していますよね。しかし、物干し竿のある位置にまくらを干すと直接温風が当たって生地が傷んでしまうんです。 なので、浴槽付近などなるべく温風が直接当たらないところに平置きで干すようにしてください。
ちなみに、ポリエステルわたのまくらについては実際にお客様から「ボリュームがなくなってしまったが洗ったほうが良いのか」とご質問をいただくことがあります。
ポリエステルわたのまくらは、洗濯をせずとも手でほぐすことで多少ボリュームが復活するので、お悩みの方はぜひ試してみてくださいね。
■ここまで洗えるまくらについてお話を伺ってきましたが、洗えないまくらの場合はどのようにお手入れをすれば良いのでしょうか?
木内 定期的に風通しのよい場所で日陰干しをしていただければOKです。
頻度や干し方など洗えるまくらと似ている部分もありますが、<洗えるまくらは定期的な洗濯>、<洗えないまくらは定期的な日陰干し>とお手入れの方法は分けて覚えてくださいね。
■品質表示を確認して、洗えるまくらは定期的に手洗いor洗濯機で洗濯、洗えないまくらは定期的に日陰干しですね!
【まくらカバーを掛けたほうがいい理由とメリットとは?】
■まくらの洗濯頻度について教えていただくなかで、「まくらカバーを掛けると良い」というお話がありましたよね。最後にまくらカバーをつけるメリットについて、くわしく教えてください。
木内 まくらにカバーを掛けるメリットは大きく2つあります。
1つめは、洗濯頻度の話題でも少し触れたとおり、まくら本体に汚れがつきにくくなり、劣化を防げるという点。
2つめは、まくらカバーはまくら本体にくらべて簡単に洗えるという点です。
まくらにカバーをしていれば肌がまくら本体に直接触れることもないですし、カバーだけを気軽に取り外して洗えるので、清潔さを保ちやすいんです。
それに加えて、まくら本体のみならず、カバーの素材にもこだわることで肌触りや通気性の良さなど、機能面にもプラスがあります。
さらにまくらカバーはカラー、素材、模様が豊富な場合が多いのでお部屋の雰囲気を気軽にチェンジでき、デザイン性の向上も期待することができるんですよ。
これらのメリットをふまえて、洗えるまくら・洗えないまくら問わず、まくらにはカバーを掛けることをおすすめしています。
▪️まくらカバーにはメリットがたくさんあるんですね!カバーを掛けていれば、まくら本体はあまり洗わなくても良いのでしょうか?
木内 そうですね。肌とまくらの間にカバーが1枚挟まることによって、まくら本体への汗の染み込みやすさや汚れのつきやすさは軽減されます。
なので、まくらカバーをしていればまくら本体を高頻度で洗濯をしなければならないということはありません。「洗ってスッキリしたいな」と感じたタイミングで洗濯していただければじゅうぶんです。
▪️まくらのお手入れについてわかりやすく教えていただきありがとうございました!明日はカラッと晴れそうなので、さっそく学んだお手入れ方法を実践してみたいと思います!